(オリジナルイラスト)
広い、広い瓦礫の原。土砂の山、死体、煉瓦の塊。巨大な塵塚と化した町。すべてはまだ青味がかった明け方の霧につつまれている。ただ背景をなしている岩山だけが、のぼってくる陽の光をうけて金色にそまりはじめている。この町へやってきた軍隊によって小説の主人公は助け出される。夢幻都市ペルレの街は完全に崩壊したのだ。招待主のパテラは謎の死を遂げ、とうとう彼の口から何の目的でここへ連れてこられたのかわからないままとなった。この夢の国の支配者パテラは、人間社会の裏面と「この世の終わり」を旧友に見せたかったのかも知れない。
(白水社 幻想小説 裏面 アルフレート・クビーン 第3部 第5章 結び)
(ボールペン、色鉛筆 水彩画 縦25㎝×横18㎝)
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