2020年4月10日金曜日

絵と詩 薔薇のネクタイ


(オリジナルイラスト)


春になったので、
薔薇のネクタイを着けてみた。
ちょっと派手だけど
蝶のネクタイピンもよく合っている。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)







2020年3月30日月曜日

絵と詩 水族館屋敷


(オリジナルイラスト)


森の小道を自転車で散歩していたら、
奇妙な建物を見つけた。
レンガ作りの家で、魚の絵が描いてあるのだ。
いや違う。ほんものの魚だ。
この家は水族館なのだ。
誰が建てたのだろう。
階段に座って一日中観ていた。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)








2020年3月18日水曜日

空飛ぶ公衆電話

 その公衆電話は国道沿いの公園のそばにあった。
 ずいぶん汚れていてペンキがところどころ剥げていた。
 でも1か月前まではここには草しか生えていなかった。無断で誰かが置いたのだ。
 ある日、通行人が電話をかけにきた。
「よかった、スマホの電池が切れたんだ」
 ドアを開けて受話器を取り、お金を入れてダイヤルを回した。
 突然、公衆電話がガタガタ揺れはじめた。
「な、なんだ。これは」
 エレベーターに乗ったような感じだった。すいーっと公衆電話ごと空の上に吸い込まれた。
 ガラスの外を見た。近くに雲が浮かんでいた。振動は収まったが、公衆電話は通行人を乗せて東の方へ飛んで行った。
 山を越えて海が見えてた。
「すごい、まるで飛行機だ」
 海の上を飛んでいると、またガタガた揺れはじめた。
「たいへんだ。高度が下がっていく」
 料金箱にランプが埋め込まれていてピカピカ光っている。
 無意識に100円硬貨を入れた。助けを呼ぶためだった。
 するとまた高度が上がりはじめた。ゆれも収まった。
「そうか、お金を入れると飛び続けるんだ」
 一日中飛んでいると、やがて公衆電話は帰りはじめた。町が見えてきた。もう夜になっていた。
 公衆電話は公園のもとの場所へ着陸した。
「やれやれ、でも不思議な旅行が出来た。みんなに教えてやろう」
 ある日友達を連れてやってきたが、そこに公衆電話はなかった。
「どこへいったんだろう」
 ある日この公衆電話はとなり町の小学校の近くに立っていた。
 通行人がやってきた。
「こんなところに公衆電話なんてあったかな」
 中を覗いてみた。
「せっかくだ、実家に電話をかけよう」
 お金を入れてダイヤルを回した。
 ガタガタと公衆電話が大きく揺れはじめた。
「なんだ、どうなってるんだ」
 通行人を乗せて空へ飛びあがった。そして西の方へ飛んで行った。
  山のふもとに大きな湖があった。
 公衆電話は、急降下してバシャンと大きな音を立てて湖の中へ潜っていった。
 まるで潜水艦だ。湖の中を走り回ってまた空の上に登って行った。
「驚いた。水の中でも平気なんだ」
 丸一日、空飛ぶ公衆電話に乘って空の散歩を楽しんだ。そして夜になって帰ってきた。 
「いやあ、面白かった、みんなに教えてやろう」
 その噂は町中に広まった。
「一度乗ってみたいな」
 そんなことをいう人が多くなった。
 みんな不思議な公衆電話を捜し始めた。でもなかなか見つからなかった。
 町はずれに一人の発明家が住んでいた。いつも地下の実験室にこもって何か作っていた。地下室はまるで工場だった。いらなくなった古い公衆電話が部屋の隅にたくさん置かれていた。
 発明家は数年前からこの作業に没頭していた。つい先日、第1号を完成して、飛行実験を繰り返していたのだ。
「さて、テスト飛行は無事に終わった。30台も作れば相当の稼ぎになる。自動販売機のように毎日稼いでくれる」
 発明家は昔からUFOの研究をしていたのだが、あるときそれを利用して空飛ぶ公衆電話の制作を思いついたのだ。
 半年もすると、空飛ぶ公衆電話は予定通り30台に増えた。
「さて全国に設置しよう」
 トラックを借りてきて、公衆電話をあちこちに置いた。
 発明家が予想したとおり、公衆電話は町の人に使われて相当の売り上げをあげた。でも心配なことがあった。
 故障して墜落したらどうしよう。考えながらいいことを思いついた。
「緊急用のパラシュートを取り付けよう。これだったら万一のとき大丈夫だ」
 すべての公衆電話にパラシュートを取り付けた。
 問題が解決したので、それからも増産していろんな町に設置し、数年間暮らしに困らないくらい大儲けをした。でもある日発明家は逮捕されてしまった。
 航空法違反と違法設置物違反の罪だった。
 刑期が終わるまで、みんな乗れなくなった。


(オリジナルイラスト)


(未発表童話)






2020年3月8日日曜日

絵と詩 芸術家の家


(オリジナルイラスト)


森の中に青い屋根の家がある。
その家に芸術家が住んでいる。
毎朝、散歩から帰ってくると、
楽器を練習し、絵を描くのだ。
ときどきピアノの鍵盤の道を行ったり来たりしながら
作曲のアイデアなんかも考える。
これまで誰もこの家にやって来た人はいない。
一度この家を訪問してみたい。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)





2020年2月27日木曜日

絵と詩 海の見える喫茶店



(オリジナルイラスト)


春のある朝、自転車で海へ行った。
浜辺に白い喫茶店があった。
お客がいない静かな店だった。
モーニングコーヒーを飲みながら
海に浮かぶヨットを見ていた。
どこからやって来たヨットだろう。
オレンジ色の船体が美しい。
ヨットの人も浜辺を見ながら
モーニングコーヒーを飲んでいるのだろう。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)




 

2020年2月17日月曜日

カニの建てたお城

 むかし、イギリス南西部のウエイマスの砂浜に、たくさんのカニが楽しく暮らしていました。
 カニたちは、丘の上に建っているお城を見ながら、
「どうだい、おれたちもあんなりっぱなお城をたてようじゃないか」
「そうだな、やってみよう」
 ある日カニたちは、カニの大工さんと相談して作りはじめました。
 砂浜の砂をかき集めてきて、高く高く積みあげていきました。
 波で押し流されないように、海から離れた場所に作りました。
 一か月ほどして、とうとうお城ができました。
 カニたちはお城の中に、イスやテーブルを運んでワインで乾杯しました。
「思ったよりりっぱなお城が出来た。さて、よそ者が来ないように毎日交代で見張りをしよう」
 作業のあいだヤドカリたちがじっと見ていたからです。 
 お城はずいぶん頑丈で、風が吹いてもびくともしません。
 カニたちはお城の中で昼寝をしたり、チェスやトランプをしたり、楽しく暮らしていました。
 ところがある日、空が曇ってきて大粒の雨が降ってきたのです。
 またたく間に大降りになりました。
「逃げろ!」
 昼寝をしていたカニたちは、急いでお城から出ました。雨のせいでお城はつぶれてしまったのです。
 カニたちはがっかりしましたが、
「今度は雨が降ってもつぶれないお城を建てよう」
 カニたちはみんな相談をはじめました。
 ある日、岩場を散歩していたカニがお城を建てるのに都合の良い場所を見つけてきました。
「むこうの岩場に洞穴がある。あの中に建てようじゃないか。雨が降ってもだいじょうぶだ」
 みんな賛成しました。
 ある日お城作りを開始しました。
 洞穴の中は涼しくて、作業はずいぶんはかどりました。
 雨が降ってきても大丈夫なので、予定より早く完成しました。
 カニたちは、またイスやテーブルを運んでチェスやトランプで遊びました。
「どうだい、洞穴の中はよく音が響くから、音楽会をやらないかい」
「そうだ、演奏家を招待しよう」
 お声がかかって、カニの演奏家がたくさん呼ばれました。
 ギター、リュート、マンドリンのアンサンブルがお城のホールで演奏されました。
 ホールはずいぶん音響がよくてみんな幸せそうに耳を傾けていました。
 あるときは、パイプオルガンが運ばれてきて壮大な演奏会が行われました。
 洞穴の中に厳粛な音色が響き渡りました。
「お城をもっと大きくしよう。オーケストラの演奏も聴いてみたい」
 カニたちは、バッキンガム宮殿に負けないくらいのお城をつくりはじめました。


(オリジナルイラスト)


(未発表童話)





2020年2月8日土曜日

絵と詩 山茶花の静物画


(オリジナルイラスト)


久しぶりに描いた花の静物画です。
山茶花に見えるでしょうか。
描いてる間にずいぶん花が散りました。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)