2020年3月8日日曜日

絵と詩 芸術家の家


(オリジナルイラスト)


森の中に青い屋根の家がある。
その家に芸術家が住んでいる。
毎朝、散歩から帰ってくると、
楽器を練習し、絵を描くのだ。
ときどきピアノの鍵盤の道を行ったり来たりしながら
作曲のアイデアなんかも考える。
これまで誰もこの家にやって来た人はいない。
一度この家を訪問してみたい。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)





2020年2月27日木曜日

絵と詩 海の見える喫茶店



(オリジナルイラスト)


春のある朝、自転車で海へ行った。
浜辺に白い喫茶店があった。
お客がいない静かな店だった。
モーニングコーヒーを飲みながら
海に浮かぶヨットを見ていた。
どこからやって来たヨットだろう。
オレンジ色の船体が美しい。
ヨットの人も浜辺を見ながら
モーニングコーヒーを飲んでいるのだろう。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)




 

2020年2月17日月曜日

カニの建てたお城

 むかし、イギリス南西部のウエイマスの砂浜に、たくさんのカニが楽しく暮らしていました。
 カニたちは、丘の上に建っているお城を見ながら、
「どうだい、おれたちもあんなりっぱなお城をたてようじゃないか」
「そうだな、やってみよう」
 ある日カニたちは、カニの大工さんと相談して作りはじめました。
 砂浜の砂をかき集めてきて、高く高く積みあげていきました。
 波で押し流されないように、海から離れた場所に作りました。
 一か月ほどして、とうとうお城ができました。
 カニたちはお城の中に、イスやテーブルを運んでワインで乾杯しました。
「思ったよりりっぱなお城が出来た。さて、よそ者が来ないように毎日交代で見張りをしよう」
 作業のあいだヤドカリたちがじっと見ていたからです。 
 お城はずいぶん頑丈で、風が吹いてもびくともしません。
 カニたちはお城の中で昼寝をしたり、チェスやトランプをしたり、楽しく暮らしていました。
 ところがある日、空が曇ってきて大粒の雨が降ってきたのです。
 またたく間に大降りになりました。
「逃げろ!」
 昼寝をしていたカニたちは、急いでお城から出ました。雨のせいでお城はつぶれてしまったのです。
 カニたちはがっかりしましたが、
「今度は雨が降ってもつぶれないお城を建てよう」
 カニたちはみんな相談をはじめました。
 ある日、岩場を散歩していたカニがお城を建てるのに都合の良い場所を見つけてきました。
「むこうの岩場に洞穴がある。あの中に建てようじゃないか。雨が降ってもだいじょうぶだ」
 みんな賛成しました。
 ある日お城作りを開始しました。
 洞穴の中は涼しくて、作業はずいぶんはかどりました。
 雨が降ってきても大丈夫なので、予定より早く完成しました。
 カニたちは、またイスやテーブルを運んでチェスやトランプで遊びました。
「どうだい、洞穴の中はよく音が響くから、音楽会をやらないかい」
「そうだ、演奏家を招待しよう」
 お声がかかって、カニの演奏家がたくさん呼ばれました。
 ギター、リュート、マンドリンのアンサンブルがお城のホールで演奏されました。
 ホールはずいぶん音響がよくてみんな幸せそうに耳を傾けていました。
 あるときは、パイプオルガンが運ばれてきて壮大な演奏会が行われました。
 洞穴の中に厳粛な音色が響き渡りました。
「お城をもっと大きくしよう。オーケストラの演奏も聴いてみたい」
 カニたちは、バッキンガム宮殿に負けないくらいのお城をつくりはじめました。


(オリジナルイラスト)


(未発表童話)





2020年2月8日土曜日

絵と詩 山茶花の静物画


(オリジナルイラスト)


久しぶりに描いた花の静物画です。
山茶花に見えるでしょうか。
描いてる間にずいぶん花が散りました。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)




2020年1月31日金曜日

鳩時計屋敷の作曲家

 森の中に風変わりな屋敷があった。大きな木に鳩時計がぶら下がっていて誰か住んでいるのだ。針もちゃんと動いている。森の動物たちはみんなそれを見て時間を知っていた。
 夜になると鳩時計屋敷に火が灯る。中でギターやマンドリンの音色が聴こえてくる。
 ある日の夕方、遠い土地から旅人がこの森へやってきた。
「変な家だな。明かりがついているから、誰か住んでいるのだ」
 旅人は今夜泊めてもらうことにした。
「すみません。すっかり暗くなって道がわかりません。泊めてもらえますか」
 すると屋敷のドアが開いて、男が出てきた。
「どこからやってきたんだ。たいしたもてなしはできないが、よかったら入ってくれ」
 親切な男だった。屋敷の中は居心地がよかった。ベットもあるし、台所もある。机の上に楽器が置いてあり、楽譜が山のように積まれていた。男は夕飯を作ってごちそうしてくれた。
 男は作曲家だった。でも曲が売れないためにこの鳩時計屋敷の仕事をしているのだ。
 毎日の仕事を話してくれた。普段は時計の歯車に油を差したり、時間に狂いがないか調整したりするのだが、一番骨が折れるのは、おもりを引き上げる作業だった。この仕事は大変な力仕事だった。十日に一度はやらないといけない。それらの仕事が終わると、作曲の仕事をするのだ。でもこの森の中ではだれも楽譜を買ってくれない。
「じゃあ、お礼に、あなたの書いた曲を世間に広めてあげましょう」
「え、本当かい」
 男は自分の書いた曲を弾いてくれた。なかなか印象的な曲だった。旅人はこれらの曲ならいろんな町の楽譜店で売れると思った。
 朝になり、旅人は出て行った。リュックサックにたくさんの楽譜を入れていた。
 旅人がいなくなると、男はいつものように鳩時計屋敷の仕事をはじめた。いつも油に汚れて仕事をしながらいつか自分の曲があちこちの音楽ホールで演奏されるのを夢見ていた。
 ある日、旅人は町へやってきた。町の公園で楽譜を取り出してリコーダーで吹いていると、楽譜屋の主人が偶然通りかかった。
「なかなか魅力的な曲じゃないか。誰が書いた曲だ」
 旅人は鳩時計屋敷の作曲家のことをいった。でもぜんぜん聞いたことがない人物だった。
「その楽譜を少し買ってあげよう。お店にプロの演奏家が楽譜を買いに来るので、その楽譜も売れるだろう」
 楽譜屋がいったように演奏家たちは、無名の作曲家の楽譜を眺めて気に入り買っていった。
 ある日、町のコンサートへ演奏を聴きにやってきた音楽好きな資産家が、無名の作曲家の作品を聴いて大いに満足した。
「どこに住んでいる人かな。一度会って話がしたい」
 演奏家から楽譜屋の場所を教えてもらって、ある日出かけて行った。
「わしはよく知らないんだ。旅人から聞いただけだ」
「その旅人はどこにいるんだ」
「町の公園の後ろの木の下で昼寝をしている」
 資産家は公園へ行って旅人から作曲家の家を教えてもらった。
 ある日資産家は、車で森へ行ってみた。森の中に鳩時計の変わった家があった。窓が開いていたので声をかけてみた。
「おおい、いるか、おれだ」
 作曲家の男は外で声がするので窓から顔を出した。
「いやあ、お前か、久しぶりだな」
 二人は若い頃、同じ音楽学校の同級生だった。もう二十年近く会っていなかったので、久しぶりに再会して二人とも喜んだ。
 作曲家の男は家の中に招待し、コーヒーを入れて飲みながら思い出話にふけった。
 資産家は、もともと家がお金持ちだったので、暮らしは裕福だったが才能がなく、音楽の道をあきらめたのだ。反対に作曲家は才能があったのだが、ずいぶん貧乏だったので途中で退学したのだった。学生の時にお互いに曲を見せ合っていたので、演奏会で曲が流れたとき、もしやと思ったのだ。
「作風がどこかで聴いたことがあるので、すぐにお前の曲だと分かった。ずいぶん書いてるみたいだな」
「ああ、でも暮らしはあいかわらず貧乏だ」
 そんなことで、資産家は昔の友人の曲を世間に広めようと考えた。
「お金はおれが出してやるから、ここを出て町で活動すればいい」
「本当か、それはありがたい、じゃあ、あとがまを捜すから少しまってくれ」
 話が決まって、翌月に町へ引っ越すことになった。資産家の援助で作曲家の曲はあちこちで演奏されるようになった。


(オリジナルイラスト)


(未発表童話) 




2020年1月21日火曜日

絵と詩 ネクタイとネクタイピン


(オリジナルイラスト)


明日はギター演奏会です。
どんな色のネクタイを着けようかな。
ネクタイピンも選ばないと。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)






2020年1月10日金曜日

絵と詩 伸びすぎた豆のつる


(オリジナルイラスト)


冬に種をまいた豆が
春になってずんずん大きくなった、
旅行に出かけて帰ってくると驚いた。
電線までつる伸びている。
これだけたくさん豆ができたので
近所の人にもわけてあげよう。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)