(オリジナルイラスト)
帝政ロシア時代、戦争から帰ってきた主人公のセミョーンは、鉄道線路番の仕事にありつき、妻と二人の子供と一緒に暮らします。隣の番小屋にはヴァシーリイという陰気で、社会に対して不満ばかり口にしている男が働いていました。二人はよく土手の上で出会っては世間話をしました。
あるときヴァシーリイは上司の不当性を訴えるためにモスクワへ直訴に出かけますが、直訴は失敗に終わり、怒り狂ったヴァシーリイは列車の転覆事故を計画します。
ある日、ヴァシーリイがハンマーで鉄道のレールを取り外している現場を見つけたセミョーンは、大急ぎでレールを修復します。しかし遠くからは列車が近づいてきます。セミョーンは自分の手首をナイフで切り、流れる血でハンカチを染めて赤旗を作り、必死に列車を止めます。(短編小説「信号」フセーヴォロド・ガルシン作)
(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)
0 件のコメント:
コメントを投稿