2020年2月27日木曜日

絵と詩 海の見える喫茶店



(オリジナルイラスト)


春のある朝、自転車で海へ行った。
浜辺に白い喫茶店があった。
お客がいない静かな店だった。
モーニングコーヒーを飲みながら
海に浮かぶヨットを見ていた。
どこからやって来たヨットだろう。
オレンジ色の船体が美しい。
ヨットの人も浜辺を見ながら
モーニングコーヒーを飲んでいるのだろう。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)




 

2020年2月17日月曜日

カニの建てたお城

 むかし、イギリス南西部のウエイマスの砂浜に、たくさんのカニが楽しく暮らしていました。
 カニたちは、丘の上に建っているお城を見ながら、
「どうだい、おれたちもあんなりっぱなお城をたてようじゃないか」
「そうだな、やってみよう」
 ある日カニたちは、カニの大工さんと相談して作りはじめました。
 砂浜の砂をかき集めてきて、高く高く積みあげていきました。
 波で押し流されないように、海から離れた場所に作りました。
 一か月ほどして、とうとうお城ができました。
 カニたちはお城の中に、イスやテーブルを運んでワインで乾杯しました。
「思ったよりりっぱなお城が出来た。さて、よそ者が来ないように毎日交代で見張りをしよう」
 作業のあいだヤドカリたちがじっと見ていたからです。 
 お城はずいぶん頑丈で、風が吹いてもびくともしません。
 カニたちはお城の中で昼寝をしたり、チェスやトランプをしたり、楽しく暮らしていました。
 ところがある日、空が曇ってきて大粒の雨が降ってきたのです。
 またたく間に大降りになりました。
「逃げろ!」
 昼寝をしていたカニたちは、急いでお城から出ました。雨のせいでお城はつぶれてしまったのです。
 カニたちはがっかりしましたが、
「今度は雨が降ってもつぶれないお城を建てよう」
 カニたちはみんな相談をはじめました。
 ある日、岩場を散歩していたカニがお城を建てるのに都合の良い場所を見つけてきました。
「むこうの岩場に洞穴がある。あの中に建てようじゃないか。雨が降ってもだいじょうぶだ」
 みんな賛成しました。
 ある日お城作りを開始しました。
 洞穴の中は涼しくて、作業はずいぶんはかどりました。
 雨が降ってきても大丈夫なので、予定より早く完成しました。
 カニたちは、またイスやテーブルを運んでチェスやトランプで遊びました。
「どうだい、洞穴の中はよく音が響くから、音楽会をやらないかい」
「そうだ、演奏家を招待しよう」
 お声がかかって、カニの演奏家がたくさん呼ばれました。
 ギター、リュート、マンドリンのアンサンブルがお城のホールで演奏されました。
 ホールはずいぶん音響がよくてみんな幸せそうに耳を傾けていました。
 あるときは、パイプオルガンが運ばれてきて壮大な演奏会が行われました。
 洞穴の中に厳粛な音色が響き渡りました。
「お城をもっと大きくしよう。オーケストラの演奏も聴いてみたい」
 カニたちは、バッキンガム宮殿に負けないくらいのお城をつくりはじめました。


(オリジナルイラスト)


(未発表童話)





2020年2月8日土曜日

絵と詩 山茶花の静物画


(オリジナルイラスト)


久しぶりに描いた花の静物画です。
山茶花に見えるでしょうか。
描いてる間にずいぶん花が散りました。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)